産後の不調はタンパク質で改善!

出産

産後、数ヶ月とはいわず数年に渡って心身ともに何らかの不調が続く方も多いのではのではないでしょうか。四六時中の抱っこや慣れない授乳で腰痛になったり、怒り易かったりイライラしたり。毎日やってくる育児に疲れてしまったり。一過性のものだからしょうがないとやり過ごすうちにどんどん不調になっていく方も少なくありません。

実はその症状、栄養療法で改善できるかもしれません。当たり前の話ですが私たちの身体は口から摂り入れた物でできています。毎日少しずつ細胞を入れ替えリニューアルしていきます。新しい細胞を作る際、細胞の材料となる栄養が足りてなかったらどうなるでしょうか。当然ながら質の悪い細胞になり本来の機能を果たせません。例えば、細胞を取り囲む細胞膜は脂肪酸を原料としますが、マーガリンなどのトランス脂肪酸を摂ってしまうと、それが細胞膜の原料となってしまい弱く不安定な細胞膜となります。そのためウイルスや細菌が進入しすくなってしまい感染症にかかりやすくなったり、アレルゲンとなる異物が侵入しやすくなるという具合に、食べた物と体調は大いに関係あるのです。

皆さんはきちんと食事を摂れていますか?自分の食事は後の後回し。食べる物は子供のために作った余り物。ちょこちょこお菓子をつまんで済ませる。などになっていないでしょうか。

妊娠中の10ヶ月の間にお腹の中で約3,000gの赤ちゃんを育て上げ、出産ではパワーを使い、血液も失われます。産後も睡眠不足の中赤ちゃんに栄養を与え、その上ホルモンバランスも激しく変わる時期です。産後は体重・体型を戻すことに焦点が当てられることが多いですが、産後の食事は妊娠・出産のリカバリーに加え、栄養不足からの体調不良を防ぐためにもとても大事な役割があります。

産後に多い症状

腰痛

一般的には、妊娠・出産に伴い骨盤が開くこと、歪むことで腰痛が起きやすいと言われています。当サロンでは筋肉の伸縮性が失われ、大腰筋がシートベルトのようにロックをしていることが腰痛の直接的な原因と考えておりますが、出産前から大腰筋がロックしていたり、骨盤周囲の筋肉がロックしていると妊娠・出産期、産後の骨盤が広がって閉じる動きが正常にできないことでお腹や背中の筋肉に負担がかかるなどやはり腰痛が発症しやすい時期だと考えています。

ここでどう栄養が関係するかというと、筋肉のロックとは急激に、または強く引き伸ばされるとその限界を筋紡錘のセンサーが感知し収縮したまま動かなくなるという生体反応であり、本来であれば筋肉の危機的状況を脱すれば元のふわふわした筋肉に戻るはずです。しかしながら、筋肉を動かすのにも栄養が必要ですから、筋肉に栄養が行き届かないと組織が酸欠状態になり、代謝障害が起きることで筋肉が元に戻る機能が発揮されず、ロックしたままの筋肉になってしまいます。

具体的に摂りたい栄養素としてはたんぱく質、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンEです。

たんぱく質は筋肉そのものの材料でもあるので、質の悪化を防ぐためにも十分に摂りたいですね。もう一つ筋肉のロックが起きやすい要因としては、鉄分不足です。妊娠中、鉄欠乏性貧血で鉄剤を処方される方も多くいらっしゃるかと思いますが、それだけ妊娠期は鉄分を消費します。鉄分は各組織に酸素を運ぶという重要な役割がありますので、鉄分不足になりやすいこの時期は筋肉にも酸素が行き届かず筋肉がロックしやすい時期でもあります。

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イライラ・不安感

妊娠中から出産後までホルモンバランスが急激に変化しますが、ホルモンはたんぱく質からできています。ホルモンバランスが乱れないようにするには、まずはホルモンの材料であるたんぱく質をきちんと摂ることが大切です。

また、うつのような症状に対してはビタミンB群、特にB3(ナイアシン)は脳代謝や脳機能活性に重要で、神経細胞で脂質・糖分を分解して神経を安定させる効果があると言われています。その他イライラや不安感を引き起こす要因としては、貧血でも同様の症状が現れますので、やはり鉄不足にならないようにしたいですね。

産後、甘い物をよく食べるようになったという方は多いと思います。一時的に血糖が急上昇するため疲れが取れた感じがしますが、血糖値が乱高下する血糖スパイクがイライラや精神的に不安定になる要因にもなります。甘いものの摂り過ぎには気をつけましょう。

たんぱく質、足りていますか?

身体の構成要素

  • 水分: 50ー60%
  • たんぱく質:15ー20%
  • 脂質:13ー20%
  • ビタミン・ミネラル:5%
  • 糖質:1%

ご覧の通り、身体から水分を除くと多くを占めるのがたんぱく質です。食事から摂取されたたんぱく質は体内で分解された後、最終的にアミノ酸となります。ヒトはアミノ酸を心臓、肝臓、脳などの臓器や筋肉、神経伝達物質、ホルモンなど生命活動に必要な様々な組織の原料とします。つまり、腰痛やイライラなどがなくてもきちんと摂る必要があり、不調の方は一番に摂り入れたい栄養素です。

必要量がどれくらいかというと、体重1kgあたり最低でも1gのたんぱく質を摂取するの理想です。
体重50kgの方であれば、1日50g以上です。

たんぱく質というと代表的なものはお肉や魚、卵ですが、100グラム当たりに含まれるたんぱく質は、例えば豚バラ肉で約14g、アジの開きだと20g前後ですので朝昼夕と毎食それなりの量のたんぱく質を摂らないとなかなか難しい量です。
また、妊娠中期は1日あたり+5g以上、妊娠後期は1日あたり+10g/日以上、授乳期は1日あたり+15g以上の摂取を推奨されております。食事だけでは難しい場合はプロテインを活用するのも選択肢の一つです。

必要量を見て、出産前からすでに足りていなかった!という方も多いのではないでしょうか。妊娠・出産で消費し、その後も授乳・育児で消費していきます。補充量が足りず消費していく一方であれば、身体のどこかにひずみが生じ、不調を来たすのも当然の結果と言えます。二人目のお子様を出産後の方が体調が良くなかったというケースもよくお聞きしますが、一人目のお子様を出産後、栄養状態がきちんと改善する前に産むことにより栄養不足がさらに進行した結果と考えられます。

気をつけたい鉄不足、でも鉄分サプリよりマグネシウム

鉄分不足にならないよう気をつける必要があることはご理解いただけたかと思います。食品から摂るには、レバーやほうれん草などが有名ですね。ヒトは動物ですので、ほうれん草などの植物性のものより、レバーや砂肝、牛肉の赤身などの動物性の方が吸収がしやすくオススメです。

鉄分のサプリメントを活用している方もいらっしゃるかと思いますが、鉄剤の副作用と危険性紹介されている通り、副作用もありますので鉄分のサプリメントは医師から指示された場合のみに留める方が望ましいです。

では何を摂ったらよいかというと、それはマグネシウムです。
体内でマグネシウムが鉄分やカルシウムの作用を代替えできるという可能性があります。(ケルヴランの原子転換説)

産婦人科の検査ではヘモグロビン(Hgb)値を測定し、貧血か否かの診断をされますが、実はヘモグロビン値だけで貧血の診断をするのは不十分です。身体の中の鉄分は70%がヘモグロビンの中に、残りの30%はフェリチンとして貯蔵されています。

ヘモグロンビン中の鉄分が不足するとフェリチンがサポートし、ヘモグロビン中の鉄分が減らないように働きます。そのため妊産婦に限らず、ヘモグロビン値は正常なもののフェリチン値が少ない隠れ貧血の方は少なくありません。

また、加工食品が多くなっている現代、マグネシウムは決定的に不足している栄養素でもあります。マグネシウム摂取には、サプリメントを活用するのもいいですし、海塩やにがり、生野菜などでも補うことができます。

最後に

まずは何よりたんぱく質を補充することから始めましょう。不調が進むと食欲も無くなり、食べるのも億劫になってしまいます。
不調が出る前から、出産・妊娠前から十分量のたんぱく質を摂れると何よりですが、この記事をご覧になっている方は何らかの不調がすでに出ている方かと思います。自分のことは後回し。時間の余裕もない時期かもしれませんが、不調=栄養が足りていない状態ですので、先ずは、たんぱく質をたっぷり摂って下さい。栄養を補充してもなかなか症状が改善しない場合は、オーソモレキュラー療法を実践しているクリニックへ行かれることをお勧めします。

琉球モリンガ配合たんぱく

お解り頂いている通り、十分量のたんぱく質を摂るには、毎食たっぷりお肉・お魚・卵を摂る必要があります。なかなか食べるのが難しい量ですし、時間も手間もかかりますのでやはりプロテインの活用はオススメです。

当サロンにも働くママがたくさんおりますが、やはり世の中のお母様方には元気で頂きたいと思っております。毎日摂るものですので、精製糖や人工甘味料、トランス脂肪酸などの余計なものが入っていないものが良い!という思いから「琉球モリンガ配合たんぱく」を作りました。

余計なものが入っていないので、授乳中のお母様をはじめ、好き嫌いの多いお子様の栄養サポートとしてご活用頂けます。

宮崎 沙織

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4年半大学病院で看護師として勤務後、ミオンパシーの施術を受けその魅力に惹かれてセラピストへ転身。ミオンパシーは長年痛みを我慢しながら生活されている方、付き合...

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