たった2つの女性ホルモンと更年期

更年期

ホルモンに振り回される女性

女性の身体は、ホルモンに支配されていると言っても過言ではなく、初潮から約40年間程、月に一度の月経という生理現象があります。月経は、子供を産むことができるゆえの生殖機能とはいえ、毎月大変ですよね。
生理前にイライラしたり、腹痛や頭痛に悩まされることはありませんか?これらの症状が強い場合は、PMS(月経前症候群)と呼ばれています。そして50歳ごろに閉経の時期を迎え、ようやく毎月の辛い月経が終わるかと思えば、次は更年期障害に悩まされます。

月経も更年期障害も、2つの女性ホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」が大きく影響していると言われています。今回は、この2つの女性ホルモンについてお伝えします。

その月経を起こす女性ホルモンの一種「エストロゲン」は、一生のうちなんと、スプーン1杯程度しか分泌されないのに、女性の体に大きな影響を与えます。ホルモンは、ごくごく微かな量で作用するわけです。エストロゲンは、卵胞で作られ、女性らしい身体づくりを助けるホルモン、一方プロゲステロンは、妊娠を維持させる作用を持ちます。

女性ホルモンと月経の関係

まずは、女性ホルモンと月経の関係について詳しく見てみましょう。女性の身体を月経の周期でみてみると、「卵胞期」「排卵期」「黄体期」「月経期」の四つの期間に分かれます。

卵胞期

「卵胞期」では、エストロゲンの分泌量が増えることで、子宮内膜を整え、受精卵の着床のための準備をします。

排卵期

「排卵期」では、エストロゲンの分泌量がピークを迎えると、成熟した卵胞から卵子が1つ、子宮に放出されます。

黄体期

「黄体期」では、排卵後、卵子を放出した卵胞が黄体という組織に変わり、この黄体からもエストロゲンとプロゲステロンが分泌されます。プロゲステロンというホルモンは、子宮内膜を受精卵が着床しやすい状態に整えます。

月経期

「月経期」では、妊娠が成立しなかった場合、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量はガクンと減り、厚くなった子宮内膜は剥がれ落ちて体外に排出され、月経が起きます。

女性の身体では、このように2つのホルモンが生殖機能を司っているわけですね。そのホルモンが身体や精神によくない影響を及ぼしていることがあります。

特に多いのが排卵後から月経前に出現する症状で、イライラや怒りっぽい、抑うつ感、下腹部膨満感、下腹痛、頭痛などがあり、総称してPMS月経前症候群と呼ばれます。約6割の女性がこの時期にはなんらかの症状を呈するとも言われています。はっきりした原因はまだわかっていませんが、ホルモンバランスによるものだと言われています。

治療法は、ピルや漢方、抗うつ剤や抗不安薬などがありますが、対症療法に過ぎません。私たちは、身体をつくるもとは食事からと考えています。ホルモンはタンパク質を材料として作られます。圧倒的にタンパク質が足りていないのが現代の食生活です。PMSの根本療法としては、やはり食事の見直しが大事なのは言うまでもないでしょう。

更年期症状はエストロゲンが悪者?エストロゲン優勢とは

さて、閉経し月経がなくなると今度はまた様々な症状(疲労感や動悸、ホットフラッシュ、抑うつ、不眠、認知力低下ほか)が女性の体を悩ませます。いわゆる更年期症状・障害です。
一般的には、エストロゲンが急激に減ることが要因だといわれていますが、米国の故ジョン・R・リー医学博士は、エストロゲンがプロゲステロンより優勢になることが問題だとしています。

出典:「医者も知らないホルモン・バランス」中央アート出版社・1997

正常な状態は、エストロゲンとプロゲステロンの比率が同等となります。プロゲステロンの役目は、エストロゲンと拮抗した作用をもち、エストロゲンとのバランスを取っています。しかし、閉経時はエストロゲンが4~6割低下しているのに対し、プロゲステロンは、ほぼゼロという状態です。また、無排卵で月経がある状態も、エストロゲンは正常量ですがプロゲステロンの量が大幅に低下しています。

このような状態を「エストロゲン優勢」といいます。

このエストロゲンとプロゲステロンの二つのホルモンの関係が崩れると、「エストロゲン優勢」として以下の症状が起こります。
老化現象の加速化、アレルギー症状、甲状腺炎、乳癌や子宮ガン、子宮筋腫、PMS、生理不順、脂肪の増加、冷え性、精神過敏、不眠、物忘れ、不安感などがあります。プロゲステロンが不足していれば、エストロゲンが身体にとって有害となるわけです。反対にプロゲステロンがエストロゲンをカバーする効果をしては、脂肪をエネルギーにする、自然な利尿作用、不安を鎮める、偏頭痛を防ぐ、睡眠を正常にする、がんを防ぐ、骨形成を刺激する、甲状腺ホルモンの機能を促進するなど身体へのいい影響ばかりです。

さらに、プロゲステロンは別のホルモンの原料でもあります。エストロゲンの前駆物質、つまり原料でもあり、エストロゲンが作られるわけです。また、副腎でも作られ男性ホルモン、副腎皮質ホルモンの原料にもなっています。副腎皮質ホルモンは、ストレス反応や糖質、電解質のバランス維持、血圧のコントロールなどの働きをします。プロゲステロンは、これら重要なホルモンの原料ですから、欠乏すると多くのトラブルが起こりうることが分かりますね。

なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。食事では、植物性エストロゲンの欠乏や糖分と糖白でんぷんの影響、過剰なカロリー摂取、ストレス、環境上の原因として乳牛や食用牛に投与するエストロゲン、胚子期にさらされる体外ホルモン(環境ホルモン)などが様々な要因が複雑に絡んでします。

では、プロゲステロンの欠乏を予防するにはどうすればいいのでしょうか。それは、有害な食べものを避けた健全な食事と、毎日2、30分歩くことを推奨しています。

具体的には、

  • 精製された糖は控え目にして、無加工のホールフード(全体食、丸ごと)を食べる
  • 食事のたびにタンパク質を摂る
  • 高繊維質のものをたくさん摂る(野菜、果物、全粒パン、玄米)
  • トランス脂肪酸を避ける・適度な脂肪を摂る・大豆類を多く摂る
  • ビタミン、ミネラルサプリメントを食事と一緒に摂る(ビタミンC、E、B群、特にB6、マグネシウム)などが挙げられます。

更年期障害の症状が辛く、治療を検討されているなら、オーソモレキュラーを取り入れている婦人科で相談されるといいでしょう。ナチュラルホルモン(天然のプロゲステロンクリームなど)の治療法があるようです。

更年期は女性なら誰にでも訪れるもの。月経がなくなり、より豊かでラクになるカラダとココロの再出発。自分の身体としっかり向き合い、ホルモンバランスを日頃から意識した生活を送り、生き生きと過ごしましょう。

宗徳実歌子

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ただ単に施術するだけでなく、必要に応じて食事や日常に関してお聞きし、お客様一人ひとりにあったオーダーメイドのサポートをいたします。走れる 、ウォーキングを楽...

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