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子どもの不調、ほとんどの原因は栄養にあり!(病気編)

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風邪やインフルエンザに罹ってしまう、アレルギーがあるなど、子どもの不調を感じる瞬間は多々ありますよね。
ロタウイルス感染症・ヘルパンギーナ・溶連菌感染症・手足口病…自分が小さい頃には聞いたこともなかったのに、親になってから初めて知る病気もあるのではないでしょうか?
私も親になり、子どもを保育園に預けても体調をすぐ崩しがちで、子どもの不調は何度も経験してきました。でも、同じ病気でもひどくきつそうにしている子もいれば、症状が軽い子もいる。この違いは一体何?と疑問に感じていました。

その原因は食事はちゃんと摂っているのに、必要な栄養がしっかりと摂れていない「質的栄養失調」です。
本当に必要な栄養とは何なのか、解説していきます。

風邪にかかりやすい…その原因と対策は?

どんなに予防を頑張ってもすぐに風邪をもらってしまったり、インフルエンザに罹ってしまったり、個人差はあるかと思いますが、小さいお子さんをお持ちのご家庭ではよくあることかと思います。
私の子どもたちも、よく風邪をもらっては保育園を休んで…ということが頻繁にあり、正直あの頃は「抵抗力がないからもらってしまうんだろう」「まだ小さいからもらっても仕方がない」と感じていました。でも、うちの子は病気をもらいやすいのに、病気をもらいにくい子もいて、何が原因なんだろう?と感じていました。

身体にウイルスが入ってきたらそのウイルスに対抗できるように、体内で「インターフェロン」という糖たんぱく質が作り出されます。ウイルスが体内で増殖しないよう抑制する働きをする物質です。このインターフェロンを欠かさないようにすれば、体内にウイルスが入ってきたとしても増殖を防ぎ、撃退することができるのです。ではそのインターフェロンを欠かさないようにするには何を摂ればいいのでしょう?

インターフェロンを作り出す時に必要なのは、「たんぱく質」と「ビタミンC」です。風邪予防にビタミンC!というのはご存知の方も多いと思いますが、たんぱく質は意識できているでしょうか?実はたんぱく質をしっかりと摂った上でビタミンCを摂らないと、免疫を高めてくれるビタミンCだけ摂ったとしても十分に力を発揮できません。
これら必要な栄養素をしっかりと摂ることで、ウイルスが身体に入ってきたとしてもインターフェロンがしっかりと働きウイルスの増殖を防いでくれます。

私自身、子どもが保育園に行っていた当時は食事内容が野菜中心で、たんぱく質なんてそこまで重要視していませんでした。むしろ、野菜をいっぱい食べる方が健康的!と思っていたくらいです。
同じ料理を食べていましたが、野菜好きな長女とお肉好きな次女だったので、器に盛る時に無意識に長女には野菜多め、次女には肉多めで出していました。栄養について知ってからよくよく考えてみると、病気をもらう頻度は長女のほうが多かったので、これが原因だったのか!と納得。できればもっと小さい頃に気付いてあげたかった…と心底思います。

スムーズなエネルギー代謝ができる体質づくりを!

インターフェロンは体温を高くしておくと作りやすくなるという特徴があります。風邪かな?と感じた時には、しっかりと身体を温めるかと思いますが、寒気がするような時は身体から「温めて!」というサインが出ていると思ってください。

身体はエネルギー代謝をする際に熱エネルギーが産み出される、つまり体熱が産み出されます。ということは、エネルギー代謝が落ちてしまうと体熱が落ちてしまうということです。平熱が低い場合はエネルギー代謝が落ちてしまっている状態ですので、エネルギー代謝がスムーズにいく体質づくりが肝心です。
そのために必要になってくる栄養素は「たんぱく質」「ビタミンB群」「ビタミンE」「マグネシウム」「ビタミンC」です。

つまり、エネルギー代謝をスムーズにする体質を作れば必然的にインターフェロンも欠かさない体質を作れます。

エネルギー代謝を上げ、体温を温めてよりインターフェロンを作りやすい状況にしておくことで、風邪を引きかけたとしても軽い症状だけで回避することができます。
これは子どもだけでなく大人も同じことなので、もしご自身も風邪にかかりやすいと感じていたらお子さんと一緒に意識してみるといいかと思います。是非やってみてくださいね。

毎年悩まされるインフルエンザ…対処法は?

風邪の中でもたちが悪いのがインフルエンザですよね。普通の風邪と比べると節々の痛みや高熱など症状が強く出る上、合併症として肺炎や脳炎になることもあり、重症化してひどい時には死に至ることもあります。呼吸器疾患を持っていると重症化しやすいと言われていますが、子どもたちと一緒にインフルエンザに罹ってしまった時は、持病で喘息を持っている私が一番ぐったりしていました。気管支が弱かった次女も、ワンシーズンで2回もインフルエンザにかかったことも…。

もちろんインフルエンザも風邪の一種なので、インターフェロンを欠かさないことは大切です。ですが、かかってしまった場合、重症化させないためにはどんな対処法があるのでしょうか?

私たちの身体には「免疫細胞」があります。インフルエンザウイルスが体内に入ってきてしまうと、白血球の一種である好中球がウイルスと戦うのですが、その際に大量の活性酸素が発生します。活性酸素は身体を酸化させ、正常な細胞を異常な細胞へと変化させてしまいます。過剰にでてしまった活性酸素をそのままにしておくと、細胞を傷つけてしまうので、その結果、肺炎や脳炎などを引き起こしてしまうのです。

その過剰に出てしまった活性酸素から細胞を守るために働くのが「スカベンジャー」です。これは抗酸化物質とも呼ばれています。スカベンジャーは活性酸素と結びつき、害を少なくします。

体内で作られるスカベンジャーとして代表的なものがSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)・カラターゼ・グルタチオンなどがあります。
また、スカベンジャーの役割をしてくれる栄養素としては「ビタミンC」「ビタミンB群」「ビタミンE」「β-カロテン」「ポリフェノール」が上げられます。特にビタミンC・ビタミンB群・ビタミンEは、筋肉や心臓を動かしたり呼吸をしたり食べ物を消化・吸収したりと、人間が活動していく上でも欠かせない栄養素です。普段からしっかりと補って、活性酸素から身を守れるようにしておくことが大切ですね。

アレルギーはなぜ起こる?

花粉症・アトピー性皮膚炎・気管支喘息・アレルギー性鼻炎・蕁麻疹など、アレルギー疾患も種類が様々、食物アレルギーも増加傾向です。アレルギーは、身体に害を及ぼさないものに対しても「これは異物だ!」と免疫が異常な反応を示すことで起こります。本来自分を守ってくれるはずの免疫が、過剰に反応し攻撃をしすぎてしまう。その結果、自分自身を傷つけてしまう反応になってしまいます。一体なぜそういったことが起こるのでしょうか?

アレルギーは食物・カビ・薬物・花粉・ハウスダストなど、アレルギーの原因となる抗原(アレルゲン)があって起こります。例えば、アレルゲンが水だとすると、アレルギー反応が起きる時はコップから水があふれ出た状態で起きてしまいます。小さいコップだと少しの量でも水があふれ出てしまいますが、大きいコップに同じ量の水を入れてもあふれ出なくてすみますよね。そのコップを大きいコップに変えることができれば、アレルギー反応は起こりにくい状態になります。

アレルギーを起こしにくい体質づくりを!

持っているコップを大きくすると、アレルゲンへの反応も起きにくくなります。そうするために必要となってくる栄養素が「たんぱく質」と「ビタミンA」です。ビタミンAは鶏レバーや豚レバー・うなぎ・卵黄・人参・ほうれん草などに多く含まれ、粘膜強化をしてくれます。免疫を高めるビタミンCと摂ることで風邪予防に役立てることもできます。

免疫が身体を守ろうとする時には、病原体を直接攻撃して殺す方法と、「抗体」というたんぱく質を病原体にくっつけて処理する方法があり、抗体は敵とみなしたものに攻撃をします。
異物が入り込むと、抗体はその異物の一部と共に、気管支・鼻粘膜・皮膚など外界と接触する組織の粘膜や結合組織に存在しているマスト細胞とくっつきます。「異物が侵入してきました!」と抗体がマスト細胞に知らせると、マスト細胞がヒスタミンなどの生理活性物質を放出し、血管拡張・発赤・熱・腫脹・疼痛が引き起こされるわけです。通常だったらこれは「身体を守るため」の反応ですので、なくてはならないものです。ですが、ヒスタミンが作られすぎるのも困ります。

そこで助けてくれるのが「ビタミンC」です。ビタミンCはマスト細胞でヒスタミンが作られるのを抑制し、なおかつ細胞の外に出てきたヒスタミンの働きも失わせます。
たんぱく質をしっかり摂った上で、ビタミンA・ビタミンC、それにプラスして先述したスカベンジャーでアレルギーに対しての対策ができます。

そのほかにも、オメガ3系脂肪酸であるEPAには、アレルギーによる炎症をブロックする働きがあります。現代の食生活は、コンビニ弁当だったりフライドポテトや唐揚げなどの揚げ物やスナック菓子だったりと、どうしてもオメガ6系脂肪酸に偏ってしまいがちです。オメガ6系には炎症を促進させてしまう面もあります。オメガ3系:オメガ6系の理想比率は1:1とされる中、現代の食事では1:10とも1:20とも言われています。良い油であるオメガ3系の油もシッカリと摂ってもらいたい所ですが、わたしのように手軽に料理できるお肉が多くて魚はあまり調理しない…というご家庭もあるかと思います。そんな時にはサプリなどでオメガ3系を補うのもおすすめです。

食物アレルギーとして、卵や乳製品のたんぱく質が原因となるアレルギーは多いかと思います。しかし、たんぱく質がなければビタミン類もシッカリと働くことができません。
『肉→魚→卵→大豆』という風に、違う種類のたんぱく質を交代で摂るなどして、発症しない方法で摂っていけるよう工夫して摂っていければいいかと思います。できる所から少しずつでも、意識をしてみてくださいね。

最優先すべき栄養は?

風邪やアレルギーについて解説してきましたが、どれにでも当てはまると言えるのが「たんぱく質」です。一般的な栄養指導などでは、たんぱく質よりも主食であるご飯などや副菜である野菜類が重要だと言われるかと思います。もちろん、ご飯や野菜も必要なものですが、「人の身体は何でできているか?」を考えると、水分の次に多いのは「たんぱく質」です。
まずは身体の土台でもあるたんぱく質がしっかりと摂れていなければ、ビタミン・ミネラルなどをしっかりと摂取したとしても、身体の中で十分に働くことができずにもったいないことになってしまいます。
特に子どもは大人と比べると代謝スピードが早く成長段階でもあるので、大人よりもしっかりと摂っておくべきなのです。

たんぱく質をしっかりと摂れた上で「ビタミンC」「ビタミンB群」「ビタミンE」「ビタミンA」「EPA」などを意識できれば子どもの不調は予防していけます。
まずは「たんぱく質」をしっかりと心掛けてみましょう。

栄養を実践して体感できた変化

栄養について学んでから、実際に高たんぱくを意識していつもの食事内容を変えてきました。食事内容を変えてから、多少の微熱が出ることはあっても、子ども達は今までほど体調を崩すことは劇的になくなりました。

何より一番変化があったのが、実は私自身です。私は持病で喘息もあり、毎年梅雨時や季節の変わり目・疲れが溜まり過ぎた時に発作がよく出ていて、発作予防の吸入器と発作時の吸入器を常備していました。アレルギー性鼻炎もあり、30歳を越えてから咽頭炎になりやすかったり、インフルエンザに毎年のように罹ったり、肺炎も2回なりました。「歳をとったからかな…」と思っていましたが、今思えば、私自身がひどいたんぱく質不足だったんだと思います。

栄養を意識し始めてから、季節の変わり目も吸入器に頼らなくても生活できるようになり、2週間に1回通っていた病院にも、栄養を始めてからは1回も通うことなく生活できています。たんぱく質不足が長かった分、正直まだまだ日によっての体調の変動は残っています。ですが「喘息が薬なしでも出なくなった」というのは、私にとって大きな進歩です。

家族みんな、食事は同じものを食べています。子どもの不調が出やすい時は、親も同じく「質的栄養失調」を起こしている可能性が高いです。お母さん自身も、不調で悩んでいたりしませんか?もし、お子さんの不調で悩んでいたら、今一度食事内容を思い出してみてください。
一気にすべてを変えるのは難しいかもしれませんが、ほんの少しの心掛けで「子どもの不調」に対する悩みは改善することができます。頑張りすぎずにできる所から、是非はじめてみてくださいね。

辻村美智子

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