便秘を解消するには足すのではなく、まず”引く”ことが重要
「便秘」の女性特有の原因
特に女性に悩みの多い便秘。なぜ男性より女性の便秘が多いのかというと、女性特有の原因として、女性ホルモンである「黄体ホルモン」の働きがあります。この「黄体ホルモン」が体に水分や塩分をためこむように指示を出し、大腸の腸壁から便の水分が吸収されて便が硬くなります。また、「黄体ホルモン」は妊娠したときに、流産しないように子宮筋の収縮を抑制する働きもあり、それが腸にも影響して蠕動運動を低下させます。特に「黄体ホルモン」が多く分泌される月経前や妊娠初期には便秘になりやすいです。
また、便を押し出すには筋肉が必要です。女性は男性に比べ、筋肉量が少ないことも原因になっています。加齢により、この傾向は一層強くなります。
でも、そんな私がある実験をしたことをきっかけに、便秘薬に頼らずに便秘を自力で自然に治すことが出来ました。
少しでも便秘にお悩みの方の参考になればと思い、ここで私の実体験を元にお話ししたいと思います。
食品添加物の影響
食品添加物の存在は皆さんご存知だと思いますが、実際に気にされる方はほとんどいないと思います。
私も今まで全く気にしていませんでした。
多くの加工食品には食品添加物が含まれています。腸は人体で唯一栄養を吸収できる器官です。添加物はその腸に悪影響を及ぼす可能性が考えられます。
食品添加物は化学合成物質で、体外に排出することがとても難しいといわれています。どんどん蓄積されていき、必要な栄養素の吸収を妨げ、不要な腸内細菌を増やしてしまいます。
その中でも便秘の原因になると言われている添加物をまとめてみました。
1)保存料
保存料の代表であるソルビン酸は、ソーセージ、ハム、ベーコン、かまぼこ、ちくわ、はんぺん、佃煮、漬物、パン、弁当、おにぎり、惣菜、サンドイッチなどコンビニやスーパーで買える多くの加工食品に使われています。ソルビン酸は細菌の繁殖を抑えて腐りにくくしてくれる一方、過剰に摂取し続けると腸内細菌の繁殖も抑えてしまい腸内環境を乱す可能性があります。
2)乳化剤
アイスやチョコレートなどに使われている乳化剤は腸内細菌叢そのものを変化させることにより、慢性的な炎症を誘発させる可能性があります。腸内細菌の組成が変質することで、代謝異常を引き起こしてしまうといった報告もあります。
3)人工甘味料
ゼロカロリー飲料やプロテインなどに使われている人工甘味料。特に人工甘味料の一つであるスクラロースは、マウスによる実験で有益な腸内細菌を約半分も減少させました。さらに肝臓機能の数値を増加させ、栄養素の吸収を妨げると共に更なる炎症を引き起こすなど、様々なデメリットが発生する可能性があります。
4)亜硫酸塩
亜硫酸塩は腸内の善玉菌であるビフィズス菌を減少させる可能性があります。善玉菌が減ると悪玉菌が増加する傾向にあるため、腸内が荒れて下痢・便秘などを引き起こすかもしれません。
白砂糖の影響
白砂糖。その名の通り白色で、不純物を取り除く際にミネラルもほとんど除去されています。白砂糖は体内で砂糖を分解する時に必要となるビタミン・ミネラルが大量に使われてしまうため、それによってビタミン・ミネラルが不足し、体内バランスが崩れ、高血糖や免疫の低下を招きます。基本的に食材は、温暖地域で栽培されたものは体を冷やし、寒冷地域で栽培されたものは体を温めてくれます。白砂糖でできたお菓子ばかり食べると、腸内腐敗が進んでしまいます。pHが正常でなくなり、消化酵素の一つである膵酵素がうまく出なくなります。それによってが消化が悪くなり、便秘の原因となります。
また白砂糖の成分であるショ糖は消化にとても悪いです。結果的にショ糖は、消化不良のままで終わってしまい、胃や腸などで悪玉菌や真菌、ウイルスなどの栄養素になります。よって、悪玉菌が優位になり、腸内環境を悪くしてしまうため、便秘になります。腸が正常に動いているときは腸内の善玉菌が繁殖している状態です。善玉菌は、ビタミンなどの有益な成分を生成してくれることで腸内の働きを活発にし排便を促してくれます。これとは逆に、悪玉菌が繁殖してしまうと、この善玉菌を追いやってしまい毒素を生成して腸の動きを低下させてしまいます。そしてこの悪玉菌は、砂糖と油分が大好きです。なので、スイーツなどの甘いものを食べ過ぎてしまうと悪玉菌はどんどん増えていってしまいます。
小麦の影響
グルテンとは、小麦、ライ麦、大麦などの穀物に含まれているタンパク質です。グルテリン系タンパク質とプロラミン系タンパク質を合わせたもので、この2つを水分と一緒にこねることでグルテンは形成されます。
グルテンは人の消化器官で分解されにくいという特徴を持ちます。それにより、体質によっては便秘をはじめとした体調不良を引き起こす可能性もあるようです。消化器官で完全に分解されなかったグルテンは、分解途中の状態で腸をはじめとした消化器官の粘膜にへばりつくことがあります。グルテンがへばりつくことで、粘膜は炎症を起こし、その結果、消化器官の機能障害を招く恐れがあるようです。それらが便秘や腹痛、下痢といった消化器症状をはじめ、消化吸収機能の低下による栄養失調、片頭痛、リウマチなどの自己免疫疾患、PMS(月経前症候群)などにつながる可能性があると考えられています。
グルテンによって受ける影響は人によって異なり、中には小腸がグルテンに過敏に反応する「グルテン過敏症」や、グルテンを消化しにくい「グルテン不耐症」の人もいるようです。こうした人は、無自覚のうちに普段の食事が便秘を引き起こしているかもしれません。
グルテンが便秘に影響するかどうかは人によります。牛乳を飲むと下痢しやすい乳糖不耐症は日本人に多いといわれますが、同様にグルテンを摂取すると調子が悪くなる人もいます。パンやパスタなど小麦食品を多く摂取すると、なんとなく体調が悪くなると感じる人はグルテン不耐症かもしれません。グルテン不耐症で便秘の症状がある場合には、グルテンフリーを心がけることで症状が改善できる可能性があります。
トランス脂肪酸の影響
自然界にはない人工油で、細胞の働きを悪くしてしまいます。トランス脂肪酸と言っても、人工のトランス脂肪酸と天然のトランス脂肪酸があり、天然のものは牛などの肉や乳製品に含まれます。今回は人工のトランス脂肪酸のお話をします。人工のものはサラダ油のように精製した植物油脂、マーガリン、スナック菓子、カップ麺、揚げ物などに含まれます。
トランス脂肪酸が体に悪影響を及ぼすのはよく聞いたことがあると思いますが、体の中で一体どんなことが起きているのでしょうか?人間の体は37兆個もの細胞から出来ています。その細胞一つ一つを隔て、細胞の中身を守っているのが細胞膜です。細胞膜は栄養素を取り込み、細胞内の老廃物を排出して、浸透圧の調整するなどのとても重要な働きをしています。食べ物を体内に取り込むと、それが細胞膜の材料として使われます。しかし、人工的に作られた脂肪酸では正常な脂肪酸の役割を果たせません。その結果、細胞膜の構造や働きが不完全なものになってしまいます。
これが腸の細胞膜に使われてしまうとそれに伴い、腸の働きが悪くなります。消化吸収や排便に不可欠な蠕動運動を行っているのは、腸の粘膜細胞たちです。細胞膜の動きが不安定になれば、必然とそれらの働きも弱くなります。腸の働きが衰えてしまえば大便の移動もスムーズにいかず、便秘を起こしやすくなってしまいます。さらに免疫の低下、糖尿病や動脈硬化、脳梗塞などの生活習慣病にも関与していると考えられています。
では、トランス脂肪酸を避けるにはどうしたら良いのか?ただマーガリンを食べなければいいだけではありません。よく聞く「ショートニング」にも多く含まれます。ショートニングを使うとお菓子やパンがサクサクっとした食感になります。その為、マーガリン、ショートニングなどの硬化油は市販のパンやケーキ、クッキー、ドーナツなどの洋菓子の材料としてよく使われます。洋菓子にこれらが多く使われている傾向があります。また、植物油を高温にして調理した揚げ物類にも多く含まれます。スナック菓子やコンビニレジ横のスナックなどです。
足すよりも引く
上記に挙げたものを避けることで栄養吸収の阻害がなくなり、異常な状態から正常な状態に戻りやすくなります。
多くの方が「~が良い!~を摂ると良い!」と何か栄養やサプリなどを色々と足しがちですが、実はその前にまずやることがあるのです。
それは、足すよりも引くこと。
私は特に足す方は意識せずに引くことだけを意識した結果、長年悩んでいた便秘が自然に解消されました。その後は便秘薬も捨て、一切必要なくなりました。ただ、良くないものを避けて過ごし、それでも便秘が解消されないという方は、その綺麗になった土台が出来た上でタンパク質やマグネシウムなど不足しがちな栄養を足していくことで良い方向に体調も変わりやすくなります。
便秘でお悩みの女性は多いかと思います。
お悩みの方はぜひ、足すよりも引くことを意識してみてくださいね。